研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[髄膜腫と携帯電話使用‐北欧5か国における協力的症例対照研究] epidem.

Meningioma and mobile phone use - a collaborative case-control study in five North European countries.

掲載誌: Int J Epidemiol 2008; 37 (6): 1304-13

目的:髄膜腫リスクに対する携帯電話の影響を評価すること。方法:人口ベース髄膜腫症例群1209人および対照群3299人について症例対照研究を行った。症例は主に病院から、対照は全国住民登録および開業医の患者リストから同定された。携帯電話使用歴は個人面接で得た。携帯電話の規則的使用(少なくとも6ヶ月間の使用歴があり、少なくとも週1回使用)、使用期間、累積の使用回数・時間、携帯電話使用に関するその他の指標と髄膜腫リスクとの関連を調べた。年齢、性別、州・地域について層化した条件付ロジスティック回帰分析を用いた。結果:規則的使用者群の髄膜炎リスクは見かけ上、携帯電話の非使用者群および非規則的使用者群より低かった(OR = 0.76、95% 信頼区間:0.65-0.89)。は非通常使用者より低くなかった。リスクは、携帯電話の使用開始からの年数、生涯の使用年数、累積の通話時間・通話回数に関連して増加しなかった。た痛エア回数蓄積電話数と変わりがないようである。携帯電話ネットワークの種類(アナログ/デジタル)、年齢、性別に関わらず、同様の知見であった。結論:今回の結果は、携帯電話使用と髄膜炎リスクとの関連の裏付けを提供しない。

研究の目的(著者による)

髄膜腫携帯電話の使用との間にあるかも知れない関連を調査するため、北欧5か国(デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、イングランド南東部)において人口ベース症例対照研究を協力して実施した。
本研究はインターフォン・プロジェクトの一部である。

詳細情報

デンマーク、スウェーデン及びノルウェーの研究は先行して発表されている(publication 11887publication 11648、及び publication 14543)。更に、これらの研究に基づく聴神経鞘腫publication 12419)及び神経膠腫publication 14460)についての協力的分析も先行して発表されている。
携帯電話の定常的使用は、少なくとも6か月間にわたって少なくとも週1回と定義した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 使用なし、または非定常的使用
集団 2 定常的使用
集団 3 最初の使用からの年数:1.5 - 4
集団 4 最初の使用からの年数:5 - 9
集団 5 最初の使用からの年数:≥10
集団 6 生涯の使用年数:0.5 - 4
集団 7 生涯の使用年数:5 - 9
集団 8 生涯の使用年数:≥ 10
集団 9 累積通話件数:< 2195
集団 10 累積通話件数:2195 - 7790
集団 11 累積通話件数:> 7790
集団 12 累積使用時間:< 125
集団 13 累積使用時間:125 - 514
集団 14 累積使用時間:> 514
集団 15 最初の使用からの年数別の累積通話件数:< 10年
集団 16 最初の使用からの年数別の累積通話件数:≥ 10年(≤ 1537件)
集団 17 最初の使用からの年数別の累積通話件数:≥ 10年(> 1537件)
集団 18 最初の使用からの年数別の累積使用時間:< 10年
集団 19 最初の使用からの年数別の累積使用時間:≥ 10年(≤ 70時間)
集団 20 最初の使用からの年数別の累積使用時間:≥ 10年(> 70時間)
集団 21 アナログ電話使用
集団 22 デジタル電話使用
参照集団 23 非定常的使用、または腫瘍と電話使用が反対側
集団 24 定常的な同側での電話使用
集団 25 同側、最初の使用からの年数:1.5 - 4
集団 26 同側、最初の使用からの年数:5 - 9
集団 27 同側、最初の使用からの年数:≥ 10
参照集団 28 非定常的使用、または腫瘍と電話使用が同側
集団 29 反対側、最初の使用からの年数:1.5 - 4
集団 30 反対側、最初の使用からの年数:5 - 9
集団 31 反対側、最初の使用からの年数:≥ 10

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 1,629 6,581
参加者 1,209 3,299
参加率 74 % 50 %
評価可能 1,204 2,945
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

携帯電話の使用に関連した髄膜腫リスク上昇の証拠は認められなかった。定常的使用、最初の使用からの年数、生涯の使用年数及び累積通話件数は、リスク上昇と関連していなかった。同側使用、またはアナログ及びデジタル携帯電話の使用に関連したリスク上昇は認められなかった。
著者らは、この知見は携帯電話使用が髄膜腫リスク上昇と関連しているということを示唆していないと結論付けた。

研究助成

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