研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[小児急性白血病におけるDNA修復遺伝子(hMLH1、APEX1、MGMT、XRCC1およびXPD)と低周波電磁界との相互作用に関する症例のみの研究] epidem.

Case-only study of interactions between DNA repair genes (hMLH1, APEX1, MGMT, XRCC1 and XPD) and low-frequency electromagnetic fields in childhood acute leukemia.

掲載誌: Leuk Lymphoma 2008; 49 (12): 2344-2350

この研究は、散発性の急性白血病(AL)の症例123人を対象とした症例のみの研究である。変電設備および送電線の位置を地域ごとに記録し、調査対象の症例の住宅からの距離を測定した。磁束密度(B)は66の症例で測定された。条件なしロジスティック回帰分析は、年齢、性別、親の教育および職業、屋内と屋外で殺虫剤の使用歴、子供部屋でのテレビ、冷蔵庫、電子レンジの存在、住宅から500 m以内の化学工場または電気通信送信機の存在を調整して行った。遺伝子環境分析の結果、XRCC1 Ex9 + 16 A対立遺伝子と住宅から100 m以内における変電設備および送電線の存在(平均B = 0.14 μT)との間に相互作用が見られた(相互作用オッズ比、COR = 4.31、95 %CI:1.54 - 12.08);住宅から50 m以内における変電設備および送電線の存在(平均B = 0.18 μT)については、XRCC1 Ex9 + 16 A対立遺伝子との相互作用のCORは4.39(95 %CI:1.42 - 13.54)であった;これらの知見は、小児のAL患者における変電設備および送電線とXRCC1 Ex9 + 16A対立遺伝子の関連の可能性を示唆している、と報告している。

研究の目的(著者による)

小児白血病における低周波電磁界とDNA修復酵素との相互作用の役割を調査するため、中国の漢民族の子どもにおいてケースオンリー研究を実施した。

詳細情報

DNA修復遺伝子の遺伝的変異が小児白血病に対する個人の感受性に寄与し得るかどうかという仮説を検証すべきである。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 住居から500m以内に変圧器及び電力線:なし
集団 2 住居から500m以内に変圧器及び電力線:あり
参照集団 3 住居から100m以内に変圧器及び電力線:なし
集団 4 住居から100m以内に変圧器及び電力線:あり
参照集団 5 住居から50m以内に変圧器及び電力線:なし
集団 6 住居から50m以内に変圧器及び電力線:あり

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 123
統計学的分析方法: ( 調整: )

結論(著者による)

DNA修復遺伝子と環境との複合分析では、住宅から100m以内にある変圧器及び電力線小児急性白血病対立遺伝子XRCC1 Ex9+16Aの存在との間に、相互作用が存在することが示され(ケースオンリーOR 4.31、CI 1.54-12.08)、50m以内ではORは更に上昇した(ケースオンリーOR 4.39、CI 1.42-13.54)。変圧器及び電力線への近接度とDNA修復遺伝子のその他の遺伝子型との間には、有意な相互作用は認められなかった。
この結果は、小児急性白血病の患者では、変圧器及び電力線対立遺伝子XRCC1 Ex9+16Aの存在との間に関連があるかも知れないことを示唆した。

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