研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[電力線からの磁界ばく露に関連した血液学的な悪性腫瘍のリスク:イタリア北部の2つの自治体における症例対照研究] epidem.

Risk of hematological malignancies associated with magnetic fields exposure from power lines: a case-control study in two municipalities of northern Italy.

掲載誌: Environ Health 2010; 9 (1): 16-1-16-8

この疫学研究は、高圧送電線沿線地帯(磁界計算値が0.1 μT 未満、0.1μT以上0.2μT未満、0.2μT以上0.4μT未満、0.4μT以上の地域)を有する北イタリアの自治体モデナ及びレッジョ・エミリアでの小児白血病に関する症例対照研究である。1986-2007年間にこれらの自治体で同定された14歳未満における新規診断血液系悪性腫瘍64症例について、1症例につき4対照をマッチング選出し、全対象者の居住歴および両親の社会経済的状況の情報を収集した。その結果、0.1μT以上のばく露地域での居住歴と関連する白血病の粗相対リスクは3.2(社会経済的状況調整相対リスクは6.7)であるが、その95%信頼区間は0.4-23.4と不安定で、量-反応関係は見られなかった;急性リンパ性白血病に対する相対リスクは5.3(95%信頼区間は0.7-43.5);その他の血液系悪性腫瘍リスク上昇は見られなかった、などの所見を報告している。

研究の目的(著者による)

電力線から生じる磁界ばく露と、子どもの白血病及びその他の血液学がんリスクとの関連を調査するため、イタリアにおいて症例対照研究を実施した。

詳細情報

子どもは、0.1µTを超える磁界ばく露される住居に6か月超にわたって住んでいた場合、ばく露群に分類された。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (相対リスク(RR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 磁界ばく露: 0.1 - < 0.2 µT
集団 2 磁界ばく露: 0.2 - < 0.4 µT
集団 3 磁界ばく露 ≥ 0.4 µT
参照集団 4 磁界ばく露 < 0.1 µT
集団 5 磁界ばく露 ≥ 0.1 µT
集団 6 磁界ばく露 ≥ 0.4 µT

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 64 256
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

症例2人と対照5人が電力線からの磁界ばく露されていた(症例1人と対照3人は磁界強度が0.1-0.2µT;症例1人と対照2人は0.4µT超)。
磁界ばく露が0.1µT超(RR 6.7、CI 0.6-78.3)及び0.4µT超(RR 2.1、CI 0.2-26.2)の以前の住所について、統計的に有意ではない小児白血病リスク上昇が認められた。ばく露が0.1µT超の子どもについて、統計的に有意ではない急性リンパ芽球性白血病リスク上昇が認められた(RR 5.3、CI 0.7-43.5)。著者らは、この結果は磁界ばく露小児白血病リスクを高めるという仮説を支持しているようである、と結論付けた。

研究の限界(著者による)

この知見は症例と対照の少ない数に基づいている。

研究助成

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