研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[中欧における小児白血病と電力周波数磁界へのばく露との関連] epidem.

Association between Childhood Leukaemia and Exposure to Power-frequency Magnetic Fields in Middle Europe

掲載誌: Biomed Environ Sci 2012; 25 (5): 597-601

この研究は、チェコでの小児白血病超低周波磁界ばく露に関する疫学研究である。著者は、チェコでのばく露レベルが、住宅の形態の違いに起因して、欧州先進地域より高い可能性があることからこの調査を行ったと述べている。症例、および症例と性、年齢、住宅形態(高い建物、複数世帯用住宅、一世帯用住宅)、町または村をマッチした対照はともに79例であった。磁界ばく露測定は、対象者の住宅内、住宅周辺、通学していた学校内において季節を変えて実施した。著者は、個人ばく露評価はある程度達成できたが、対象者数が少ないという限界があると述べている。調査結果は、超低周波磁界ばく露小児白血病有意な関連を見出さなかった、と報告している。ちなみにオッズ比は、カットポイント0.2 μT で0.93(95%信頼区間0.45‐1.93)、0.3μTで0.77(同0.34‐1.75)、0.4 μTで0.9(同0.37‐2.22)であった。

研究の目的(著者による)

超低周波磁界へのばく露小児白血病との関連を調査するため、チェコ共和国において症例対照研究を実施した。

詳細情報

磁界測定の結果は Jirik他(2011) で発表されている。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 子どもの住居での磁界ばく露: < 0.2 µT
集団 2 子どもの住居での磁界ばく露: ≥ 0.2 µT
集団 3 子どもの住居での磁界ばく露: ≥ 0.3 µT
集団 4 子どもの住居での磁界ばく露: ≥ 0.4 µT

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 82 81
参加者 79 79
統計学的分析方法:

結論(著者による)

チェコ共和国におけるこの症例対照研究では、ばく露レベルは西側先進諸国よりも高かったものの、超低周波磁界へのばく露小児白血病との関連は認められなかった。

研究助成

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