研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話及びコードレス電話の使用と2000-2003年に診断された悪性脳腫瘍との関連についての症例対照研究] epidem.

Case-control study of the association between the use of cellular and cordless telephones and malignant brain tumors diagnosed during 2000-2003.

掲載誌: Environ Res 2006; 100 (2): 232-241

この研究は、携帯電話およびコードレス電話の使用と脳腫瘍リスクに関する症例対照研究である。スウェーデン(ウプサラ/オレブロ及びリンショーピン地域)を調査地域とし、調査期間は2000年7月~2003年12月である。分析の対象としたのは、悪性脳腫瘍症例317人(参加率88 %)および対照692人(同84 %)のデータである。結果として、アナログ携帯電話使用者群において、オッズ比OR)2.6、95 %信頼区間(CI)1.5-4.3が得られた;使用年数10年以上の群においては、OR = 3.5および95 %CI = 2.0-6.4に増加した;デジタル携帯電話使用者群では、OR = 1.9、95 %CI = 1.3-2.7で、使用年数10年以上の群においては、OR = 3.6、95 %CI = 1.7-7.5であった;コードレス電話使用者群では、OR = 2.1、95 %CI = 1.4-3.0、10年以上使用者群では、OR = 2.9、95 %CI = 1.6-5.2であった;ORは累積使用時間とともに増加した;ORは高悪性度星状細胞腫で最も高かった;低悪性度星状細胞腫および他の種類の悪性脳腫瘍リスクもいくらか上昇したが、有意ではなかった、と報告している。

研究の目的(著者による)

スウェーデンにおいて携帯電話及びコードレス電話の使用と脳腫瘍リスクについての症例対照研究を実施した。

詳細情報

本研究は、悪性脳腫瘍についての結果を報告しており、良性脳腫瘍、主に髄膜腫及び聴神経鞘腫についての結果は publication 12068 で報告している。
診断前の1年以内に携帯電話またはコードレス電話の使用を開始した被験者は非ばく露群に分類した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 非ばく露
集団 2 アナログ、潜伏期間 1 - 5年
集団 3 アナログ、潜伏期間 > 5 - 10年
集団 4 アナログ、潜伏期間 > 10年
集団 5 アナログ、全体、潜伏期間 > 1年
集団 6 アナログ、≤ 80時間、潜伏期間 1 - 5年
集団 7 アナログ、≤ 80時間、潜伏期間 5 - 10年
集団 8 アナログ、≤ 80時間、潜伏期間 > 10年
集団 9 アナログ、≤ 80時間、全体、潜伏期間 > 1年
集団 10 アナログ、> 80時間、潜伏期間 1 - 5年
集団 11 アナログ、> 80時間、潜伏期間 5 - 10年
集団 12 アナログ、> 80時間、潜伏期間 > 10年
集団 13 アナログ、> 80時間、全体、潜伏期間 > 1年
集団 14 デジタル、潜伏期間 1 - 5年
集団 15 デジタル、潜伏期間 > 5 - 10年
集団 16 デジタル、潜伏期間 > 10年
集団 17 デジタル、全体、潜伏期間 > 1年
集団 18 デジタル、≤ 64時間、潜伏期間 1 - 5年
集団 19 デジタル、≤ 64時間、潜伏期間 > 5 - 10年
集団 20 デジタル、≤ 64時間、潜伏期間 > 10年
集団 21 デジタル、≤ 64時間、全体、潜伏期間 > 1年
集団 22 デジタル、> 64時間、潜伏期間 1 - 5年
集団 23 デジタル、> 64時間、潜伏期間 5 - 10年
集団 24 デジタル、> 64時間、潜伏期間 > 10年
集団 25 デジタル、> 64時間、全体、潜伏期間 > 1年
集団 26 コードレス、潜伏期間 1 - 5年
集団 27 コードレス、潜伏期間 > 5 - 10年
集団 28 コードレス、潜伏期間 > 10年
集団 29 コードレス、全体、潜伏期間 > 1年
集団 30 コードレス、≤ 243時間、潜伏期間 1 - 5年
集団 31 コードレス、≤ 243時間、潜伏期間 > 5 - 10年
集団 32 コードレス、≤ 243時間、潜伏期間 > 10年
集団 33 コードレス、≤ 243時間、全体、潜伏期間 > 1年
集団 34 コードレス、> 243時間、潜伏期間 1 - 5年
集団 35 コードレス、> 243時間、潜伏期間 > 5 - 10年
集団 36 コードレス、> 243時間、潜伏期間 > 10年
集団 37 コードレス、> 243時間、全体、潜伏期間 > 1年

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 359 820
参加者 317 692
参加率 88 % 84 %
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

結果は、アナログ及びデジタル携帯電話ならびにコードレス電話の使用に関連した悪性脳腫瘍リスク上昇を示した。リスク潜伏期間及び電話での通話に用いた時間と共に上昇した。

研究助成

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