研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[Wistar雄ラットの生殖能パターンに対するマイクロ波放射誘導の酸化ストレスを介した毒性のメラトニンによる治療的アプローチ] med./bio.

Therapeutic approaches of melatonin in microwave radiations-induced oxidative stress-mediated toxicity on male fertility pattern of Wistar rats.

掲載誌: Electromagn Biol Med 2014; 33 (2): 81-91

この研究は、Wister雄ラットストレス関連指標に対する2.45 GHz マイクロ波(MWs;0.21 mW/cm2、SAR 0.14 W/kg)の影響、ならびにその影響に対するメラトニン(Mel)の効果を調べた。擬似ばく露群、Mel投与群、MWsばく露群、Mel+MWs群を各群6匹とした。Melは毎朝2 mg/kgを腹腔内投与、MWsは1日2時間、ホーンアンテナでの全身ばく露を行い、45日間継続した。ばく露終了後に精巣組織のLDH-X活性、キサンチンオキシダーゼ(XO)、活性酸素種ROS)、カルボニル化タンパク、DNA損傷、MDAを測定した。その結果、メラトニン酸化損傷を防ぐことが、精巣のLDH-X活性レベル上昇、MDAおよびROSレベルの減少で示された;また、精巣細胞のXO、カルボニル化タンパク、精子数、テストステロンレベル、DNA断片化に対するMWsの影響をメラトニンは回復する、と報告している。

研究目的(著者による)

精巣酸化ストレスおよび損傷に対する2.45 GHz電磁界の影響と、それに対するメラトニンと保護効果を調べること。

詳細情報

ラットを4群に分けた (各群n=6): 1) 電磁界ばく露群、2) メラトニン投与群(毎日の腹腔内投与2 mg/kg 体重)、3) 電磁界ばく露メラトニン投与群、4) 擬似ばく露群(毎日の擬似腹腔内投与)。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 2.45 GHz
Modulation type: FM
ばく露時間: continuous for 2 h/day for 45 days

ばく露1

主たる特性
周波数 2.45 GHz
タイプ
  • electromagnetic field
特性
  • far field
ばく露時間 continuous for 2 h/day for 45 days
Modulation
Modulation type FM
Modulation frequency 50 Hz
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 plexiglas cage ventilated with holes of 1 cm diameter
ばく露装置の詳細 a cage with six animals was kept in an anechoic chamber lined with radar absorbing material (attenuation 40 db); all six animals were facing the horn antenna
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
SAR 0.14 W/kg - 推定値 whole body -
電力密度 0.21 mW/cm² - 測定値 - -
電力 1,080 W - - - input power
電力 700 W - - - output power

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

擬似ばく露群に比べ、電磁界EMFばく露群(第1グループ)では、体重、テストステロンレベル、乳酸脱水素酵素酵素活性および精子数が有意に低下し、組織病理学損傷も同様に見られた。EMFとメラトニンの同時ばく露群(第3グループ)ではこれらのばく露による影響は見られなかった。

擬似ばく露群に比べ、EMFばく露群(第1グループ)では、酸化ストレスの全パラメータ(活性酸素種、カルボニル化タンパク質マロンジアルデヒドのレベルおよびキサンチンオキシダーゼの酵素活性)、それからDNA損傷およびアポトーシスが有意に増加した。また、EMFとメラトニンの同時ばく露群(第3グループ)では第1グループに比べ、これらのパラメータは有意に低下した。

食餌および水の摂取量には各群に何ら差は無かった。

著者らは結論として、「ラットの2.45 GHz電磁界へのばく露は、酸化ストレスを介して精巣損傷する可能性があり、メラトニンはこれらの影響を防護する可能性がある」と述べている。

研究の種別:

研究助成

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