研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ラットの脳における超低周波磁界の影響] med./bio.

Effects of extremely low-frequency magnetic field in the brain of rats.

掲載誌: Brain Res Bull 2006; 68 (5): 355-360

超低周波磁界(50Hz, 0.5mT)を用いて、7日間のばく露により、オスのウィスターラットの脳に与える影響を調べた。対照群ラット擬似ばく露された。スーパーオキシドジスムターゼの活性とスーパーオキシドラジカルの産生、脂質過酸化反応、一酸化窒素を、前頭葉線条体、前脳基底部、海馬脳幹小脳において調べた。顕著に増加したスーパーオキサイド・ラジカル量が、調べたすべての部位で認められた。スーパーオキシドラジカルの活性に対抗する一酸化窒素の産生がいくつかの部位において顕著に増加していた:前頭葉、前脳基底部、海馬脳幹がそれである。前脳基底部においてスーパーオキシドジスムターゼの活性および一酸化窒素の産生が顕著に増大し、前頭葉では一酸化窒素の産生が顕著に増大していたにもかかわらず、前脳基底部および前頭葉においてのみは顕著に脂質過酸化反応の拡大も観測された。得られた結果から、超低周波磁界への7日間ばく露は脳に有害である可能性があり、特に、脂質過酸化反応の促進により、前脳基底部および前頭葉に有害である可能性がある。また、すべての領域でスーパーオキサイド陰イオンの高い産生は、スーパーオキサイド・ラジカルに対する反応において一酸化窒素を消費することから、一酸化窒素信号プロセスを危うくするかもしれない。

研究目的(著者による)

超低周波磁界への7日間のばく露後の成獣の雄ラットの脳における抗酸化防御系ならびに活性酸素種及び一酸化窒素の産出に対する影響を調べること。

詳細情報

12匹のラットを2群(ばく露群及び偽ばく露群)に分けた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 7 days

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 7 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
Distance between exposed object and exposure source 20 cm
チャンバの詳細 Plastic cages with standard dimensions (26 cm x 43 cm x 15 cm) were covered with plexiglas plates and fixed to polystyrene foam. Each experimental group was divided into two subgroups that were simultaneously exposed (or sham-exposed). The center of each cage was 20 cm from the poles of the core on the respective side of an electromagnet. Sham-exposed animals were subjected to the same procedure as the exposed ones, but the source of the field was not activated.
ばく露装置の詳細 A solenoid type electromagnet with a regular laminated transformer core and pole dimensions 9.5 cm x 9.5 cm was used for generating the magnetic field.
Additional information Magnetic force lines were parallel to the horizontal component of the local geomagnetic field. Deviation of the geomagnetic field measured by a proton magnetometer was within the normal range. The background magnetic field did not exceed 10-5 mT.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.5 mT spatial average 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

電磁界ばく露は調査した全てのパラメータの値を変化させた:スーパーオキシドラジカルの量は全ての脳構造で増加した。スーパーオキシドジスムターゼ酵素活性は前脳基底部で有意に上昇した。一酸化窒素の産出は脳の構造で変化した(前頭皮質及び前脳基底核で最も高い産出)。偽ばく露ラットと比較して、抗酸化防御は、ばく露ラットの前脳基底部及び前頭皮質以外の脳の構造を脂質過酸化から防護するのに十分であった。

このデータは、超低周波磁界への7日間のばく露は脳に対して有害となり得ることを示している。

研究の種別:

研究助成

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