研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50Hz磁界にばく露した分裂中のヒト末梢血リンパ球における姉妹染色分体交換頻度の増加] med./bio.

Elevated sister chromatid exchange frequencies in dividing human peripheral blood lymphocytes exposed to 50 Hz magnetic fields.

掲載誌: Bioelectromagnetics 2007; 28 (4): 281-288

この研究は、姉妹染色分体交換SCE)を指標に用いて、ヒト末梢血リンパ球(HPBL)に対する超低周波(ELF)電磁界EMF)の染色体異常誘発能を調べた。再現性を判断するために、6人の健康な男性ドナーの末梢血リンパ球PBL)を分割して2ラウンドの実験(R1とR2)が行われ、SCEの頻度はスコアリングされた。各ラウンドで、8つのばく露条件の実験を行った。すなわち、50 Hz正弦波(連続またはパルス)または50 Hz方形波(連続またはパルス)の4通りにおいてそれぞれ、磁束密度1 μTまたは1 mTで72時間ばく露を行った。その結果、2回のラウンドのどちらにおいても、8つのばく露条件を一群として対照群と比較すると、ばく露群において細胞あたりのSEC数の有意な増加が見られた;R1における最大のSCE頻度は方形波連続波での10.03であったが、R2では方形波連続波での10.39は、R2で2番目に高い頻度となった;複製フォーク(二本鎖DNAの複製進行する部位)でのDNA架橋は、ELF EMFばく露とSCE頻度増加との間のメカニズムを説明するモデルとして提案できるかもしれない、と報告している。

研究目的(著者による)

ヒト末梢血リンパ球に対する超低周波電磁界染色体異常誘発の潜在能力を調べること。

詳細情報

再現性を判定するため2セットの実験で、健康な男性ドナー6人から得た分裂中の末梢血リンパ球における姉妹染色分体交換頻度を評価した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 72 h
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: intermittent, 4 s on/4 s off, for 72 h
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 72 h
ばく露4: 50 Hz
ばく露時間: intermittent, 4 s on/4 s off, for 72 h

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 72 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 The Helmholtz coils were housed in a purpose-built incubator situated in an electrically shielded room away from any MF sources and maintained at 37 °C by a flow of warm air from a distant source (2 m).
ばく露装置の詳細 Culture tubes containing 5 ml of medium were placed within the pair of Helmholtz coils. Each coil was 180 mm in diameter and made of 100 turns of enamelled 0.7 mm diameter copper wire.
Sham exposure A sham exposure was conducted.
Additional information Control tubes were similarly cultured over a separate 72 h incubation period, but received no exposure to MFs. An independent person set the MF parameters that were unknown to the researcher.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 µT - 計算値 - -
磁束密度 1 mT - 計算値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 intermittent, 4 s on/4 s off, for 72 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 µT - 計算値 - -
磁束密度 1 mT - 計算値 - -

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • rectangular
ばく露時間 continuous for 72 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 µT - 計算値 - -
磁束密度 1 mT - 計算値 - -

ばく露4

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • rectangular
ばく露時間 intermittent, 4 s on/4 s off, for 72 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 µT - 計算値 - -
磁束密度 1 mT - 計算値 - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

どちらのセットでも、ばく露群では対照群と比較して、細胞あたりの姉妹染色分体交換の数の有意な増加が認められた。データは、連続的な矩形波が最も多い姉妹染色分体交換リンパ球に生じたことを示した。
超低周波電磁界ばく露姉妹染色分体交換頻度の増加との機序的リンクを説明し得るモデルとして、複製フォークでのDNA架橋が提唱されている。

研究の種別:

研究助成

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