疫学研究 (observational study)

[居住環境磁界ばく露と小児白血病：カリフォルニア州における人口集団ベースの症例対照研究] epidem.

Residential magnetic fields exposure and childhood leukemia: a population-based case-control study in California

著者: Kheifets L, Crespi CM, Hooper C, Cockburn M, Amoon AT, Vergara XP

掲載誌: Cancer Causes Control 2017; 28 (10): 1117-1123

この研究は、米国カリフォルニア州において、小児白血病のリスクと電力線からの磁界ばく露についての大規模な症例対照研究を実施した。この研究には、小児白血病の症例5,788人（同州で1986-2008年に出生・診断）ならびに年齢および性別でマッチングした対照が含まれた。地理情報システム、航空写真、過去の電力負荷および位相についての過去の情報、ならびに現地訪問を用いて、出生時の住所での磁界を計算した。その結果、年齢、性別、人種／民族、社会経済状態について調整した無条件ロジスティック回帰に基づき、2つの中間ばく露群における僅かなリスク減少、ならびに最高ばく露群における小さな過剰リスク（オッズ比1.50、95%信頼区間0.70 - 3.23）が認められた。サブグループ分析および感度解析、ならびにマッチング分析でも同様の結果が認められた。但し、全てのリスク推定値は信頼区間が広かった。著者らは、この大規模症例対照研究それ自体は、電力線からのより高いばく露と関連したリスクについての明確な証拠を示さなかったが、リスク上昇についての先行研究での知見と整合するとみなし得る、と結論付けている。

影響評価項目／リスク推定のタイプ

小児白血病

リスク推定のタイプ:

発生率

(オッズ比(OR))

ばく露

- 50/60 Hz (AC)
- 磁界
- 低周波電磁界
- 送電線
- 住宅環境の

ばく露評価

計算: magnetic flux density calculation based on distance between mother's residential address at time of birth to closest power line, detailed information on physical configuration and dimension of power lines near residence, phasing, loading, and directional load flow data for years of birth and diagnosis for each child (see Vergara et al. (2015))

ばく露集団

グループ	説明
参照集団 1	magnetic flux density: < 0.1 µT
集団 2	magnetic flux density: ≥ 0.1 - < 0.2 µT
集団 3	magnetic flux density: ≥ 0.2 - < 0.4 µT
集団 4	magnetic flux density: ≥ 0.4 µT

調査対象集団

グループ:
- 小児
年齢: 0–16年

症例集団

対照集団

選択方法:
- 人口集団ベース
マッチング:
- 性別
- 年齢
- 症例:対照 = 1:1

調査規模

	症例	対照
合計	6,645	-
評価可能	5,788	5,788

統計学的分析方法:

条件なしロジスティック回帰
条件付きロジスティック回帰分析

(調整:

年齢
性別

)

研究助成

Electric Power Research Institute (EPRI), USA
National Institute of Environmental Health Sciences/National Institute of Health (NIEHS/NIH), USA

この論文に対するコメント

Thomas DC (2018): [Kheifets他（2017）：「居住環境磁界ばく露と小児白血病：カリフォルニア州における人口集団ベースの症例対照研究」へのコメント]

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