症例対照研究を行い、高圧送電線により生じるタイプの磁界へのばく露が児童におけるがんの発生率を増大させているという仮説を検証する。本研究のデータベースは、16歳未満の、1960-1985年の間にスウェーデンの220-400 kV送電線から300m以内の居所に住んだことのある全ての児童からなる。対象者はデータベースに1985年を通じて記載されてより追跡調査された。総数142人のがん患者が、スウェーデンがん登録への記録照会により確認された。39人の白血病があり、33人の中枢神経腫瘍があった。総数558人の対照者が無作為にデータベースの中から択ばれた。ばく露量は、送電線によって生み出された当該の磁界を点測定し計算することで評価されたが、その際、距離、電線の形状、負荷電流が勘案された。当該電線に掛かった負荷履歴の情報が、対象児童の診察時に最も近い年度の磁界を算出するのに用いられた。小児白血病に対応するばく露量評価に履歴を遡る計算が用いられ、そのカットオフポイントが0.1と0.2マイクロテスラ(μT)であるとき、見積もられる相対リスクは、これら2つのばく露レベルの上で増大し、0.2μT以上に対しては2.7〔95%信頼区間(CI)1.0-6.3〕、傾向に対するP値は0.005であった。潜在的交絡因子に対応する修正が為されたときにも、これらの結果に変わりはなかった。中枢神経腫瘍、リンパ腫、およびその他全ての小児がんについては、関連性を支持する結果は得られなかった。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 磁界、計算値:≤ 0.09 µT |
集団 2 | 磁界、計算値:0.1- 0.19 µT |
集団 3 | 磁界、計算値:≥ 0.2 µT |
集団 4 | 磁界、計算値:0.1-0.29 µT |
集団 5 | 磁界、計算値:≥ 0.3 µT |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 142 | 558 |
評価可能 | 141 | 554 |
研究ベース:電力線の近くに住む子ども127383人
子どもの白血病のリスク上昇と、0.2µTを超える過去の磁界の計算値へのばく露が観察された。全てのがんの組合せ、あるいはは中枢神経系の腫瘍またはリンパ腫については、過去の磁界の計算値との関連の証拠はなかった。
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