研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[カナダのオンタリオ州における小児白血病と電界及び磁界への居住環境ばく露の個人モニタリング] epidem.

Childhood leukemia and personal monitoring of residential exposures to electric and magnetic fields in Ontario, Canada.

掲載誌: Cancer Causes Control 1999; 10 (3): 233-243

この研究は、カナダのオンタリオ州で実施された、小児白血病リスクと居住環境磁界ばく露に関する人口ベース症例対照研究(1985-1993年に、0〜14歳で小児白血病と新規に診断された症例および性別・年齢をマッチされた対照からなる)の一部(症例88、対照133)を対象にばく露評価を実施した。個人ばく露計を装着した通常活動中の小児ばく露測定、小児の住宅の3つの部屋での一時点測定、ワイヤコード割付の3通りの方法を用いた。その結果、個人ばく露計で測定された磁界ばく露白血病リスク増加との間に関連が見られた;このリスクは、診断時6歳未満の小児および急性リンパ芽球性白血病小児において、より顕著であった;大半において、磁界の一時点測定値は、有意でないリスク上昇との関連が見られた(先行研究と全般的に同じ程度);高電流電力線への住宅接近度は、白血病リスク上昇に関連しなかった、と報告している。

研究の目的(著者による)

小児白血病リスク電界及び磁界への居住環境ばく露との関連を調査するため、改善したばく露評価手法を用いて、カナダにおける症例対照研究 (publication 1053) の一部を実施した。

詳細情報

電界及び磁界へのばく露は、子どもが少なくとも2日間装着した個人モニタリング装置で測定した。子どもが使う部屋でのポイント・イン・タイムの測定、及びワイヤ・コード分類により、更なるばく露評価を得た。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 個人モニタリングによって測定した平均磁束密度:< 0.03 µT
集団 2 個人モニタリングによって測定した平均磁束密度:0.03 - < 0.07 µT
集団 3 個人モニタリングによって測定した平均磁束密度:0.07 - < 0.14 µT
集団 4 個人モニタリングによって測定した平均磁束密度:≥ 0.14 µT
参照集団 5 個人モニタリングによって測定した平均電界強度:< 5.6 V/m
集団 6 個人モニタリングによって測定した平均電界強度:5.6 - < 7.9 V/m
集団 7 個人モニタリングによって測定した平均電界強度:7.9 - < 11.6 V/m
集団 8 個人モニタリングによって測定した平均電界強度:≥ 11.6 V/m
参照集団 9 Wertheimer-Leeperコード:非常に低い電流配置(VLCC)
集団 10 Wertheimer-Leeperコード:一般に低い電流配置(OLCC)
集団 11 Wertheimer-Leeperコード:一般に及び非常に高い電流配置(OHCC + VHCC)
集団 12 Wertheimer-Leeperコード:集合住宅
参照集団 13 Kaune-Savitzコード:低
集団 14 Kaune-Savitzコード:中
集団 15 Kaune-Savitzコード:高
集団 16 Kaune-Savitzコード:集合住宅

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
参加者 88 133
その他:

76人の子どもが急性リンパ芽球性白血病であった

統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

幼い子どもで特に、個人モニタで測定した磁界ばく露小児白血病リスク上昇との関連が認められた。高電流配置の電力線への住居の近接度と白血病リスク上昇との関連は認められなかった。個人モニタリングで測定した電界ばく露小児白血病リスク上昇と関連していなかった。
個人モニタリングで測定した磁界ばく露に関する知見は、小児白血病リスクとの関連を支持している。

研究助成

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