研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[小児白血病と電磁界:ドイツにおける人口ベースの症例対照研究の結果] epidem.

Childhood leukemia and electromagnetic fields: results of a population-based case-control study in Germany.

掲載誌: Cancer Causes Control 1997; 8 (2): 167-174

研究基盤:Lower Saxony州(ドイツの西北部、人口は7,400,000人)において、1988年7月から1993年6月までの期間に白血病として新たに診断された症例。症例数219、対照数 二つの対照群(305の地域対照、308の州対照)。症例と対照:症例はドイツ小児がん登録簿から抽出。対照は地方政府機関の住民登録台帳から選定。それぞれの白血病症例につき一つの対照を同じ登録機関から選定し(地域対照)、もう一つの対照を住民数に重みを付けた抽出手続きに従ってLower Saxony州の無作為に選んだ登録機関から選定した(州対照)。磁界曝露評価:24時間連続測定(寝室)及び住居内スポット測定。交絡因子:性別、診断時年齢、社会経済状態及び都市化の程度については調整した。24時間測定値ががんに関連していることを示したのは本調査が始めてである(論文中より)。著者らは、磁界曝露量の24時間測定値に焦点を当てた調査をさらに実施することを推奨し、メラトニン仮説に基づき、曝露指標として特に夜間の磁界に注目すべきであると述べている。小児の寝室において24時間にわたって測定した磁界測定値の中央値が0.2μTを超える場合は、統計的に有意ではないがオッズ比が上昇することが示された。しかしこのリスクの推定は、457例から成る被験者のうち僅か1.5%の被験者の測定値に基づいたものであるため、信頼区間の広さに現れているように極めて不正確である。小児白血病と屋内スポット測定値には関連が観測されなかった。この結果は、これまでの調査結果と一致している。

研究の目的(著者による)

ドイツにおける人口ベース症例対照研究で、居住環境での超低周波電磁界小児白血病との関連を調査した。

詳細情報

磁界へのばく露は二つのばく露評価方法で推定した:診断日以前に最も長く住んでいた住居における子どもの寝室での24時間の磁界測定、子どもが一年以上住んでいた全ての住居でのスポット測定。ばく露は高(0.2µT以上)及び低(0.2µT未満)に分類した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 子どもの寝室での24時間測定の中央値: < 0.2 µT
集団 2 子どもの寝室での24時間測定の中央値: ≥ 0.2 µT
参照集団 3 子どもの寝室での24時間測定の平均値: < 0.2 µT
集団 4 子どもの寝室での24時間測定の平均値: ≥ 0.2 µT
参照集団 5 夜間の中央値: < 0.2 µT
集団 6 夜間の中央値: ≥ 0.2 µT
参照集団 7 子どもの寝室及び居室での24時間測定の中央値の平均: < 0.2 µT
集団 8 子どもの寝室及び居室での24時間測定の中央値の平均: ≥ 0.2 µT
参照集団 9 子どもが最も長く住んでいた住居でのスポット測定: < 0.2 µT
集団 10 子どもが最も長く住んでいた住居でのスポット測定: ≥ 0.2 µT
参照集団 11 子どもが > 1年住んでいた全ての住居でのスポット測定の最大値: < 0.2 µT
集団 12 子どもが > 1年住んでいた全ての住居でのスポット測定の最大値: ≥ 0.2 µT

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 219 -
評価可能 129 328
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

子どもの寝室での24時間測定の中央値は、最も妥当なばく露変数と見なされた。
症例4人と対照3人に基づき、子どもの寝室での0.2µT以上の24時間測定の中央値について、有意でないリスク上昇が認められた。この結果は統計的に有意ではないが、磁界小児白血病との正の関連の兆候かも知れない。

研究の限界(著者による)

0.2µTを超える磁界ばく露されたのは研究人口の僅か1.5%であった。

研究助成

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